チキン情事(再掲)

一回の浮気で性に目覚めたデブスババア45歳のアラフォー最後1年間の浮気三昧変遷記。

既読無視

旦那は相変わらず口を聞いてくれない。

 
LINEを送ってもすべて既読すらされていない。
 
私はこのままじゃ嫌だと思い、私の今の気持ちを綴ったLINEを既読無視覚悟で旦那に送った。
 
既読つかない…
 
好きになっちゃったのよ。気づいたらものすごく。この気持ち、もう止められないの。
振られたなら諦められた。
でも、受け入れてくれてしまったから…
こんなに人を愛したことはないの。
 
〇〇ちゃんは、私のこと、デブスだとかタダマンだとかヤリマンだとか散々私のこと蔑んできたじゃない。
愛されぬ理由を考えよって。
私は、それ、すごい傷ついていた。
 
今回のことで、〇〇ちゃんを私は深く傷つけてしまったかもしれないけど、浮気をしながら私も私で傷ついていたのよ。
 
話し合おうよ。
 
たまにはきちんと向き合おうよ。
 
それをしないでこのまま別れるのは納得できない。
 

 

また私は旦那に残酷な告白をしてしまった。
 
23時頃旦那が会社から帰ってきた。
 
私はおかえりを言いに階下へ降りて旦那に「おかえりなさい。LINE読んでくれた?」と問いかけた。
 
返事はない。
 
携帯を確かめると、やはり既読すらされてなかった。
 
旦那は不機嫌そうに鞄を玄関に投げ出し和室に入るとオンラインゲームをやり始めた。
 
私は旦那に続いて和室に入り、
 
「ねぇ。お願いだからLINE読んでよ。お願い…」
 
と旦那に頼んだ。
 
「ねぇ!!」
 
私は旦那に読むことを促した。
 
旦那は面倒くさそうに不機嫌に携帯を取り出し、LINEを読んだ。そして言った。
 
「で?」
 
「だから…話し合おうよ…」
 
私は久しぶりに旦那の声を聞いた。
 
「だからいいんじゃね?そっち行けば」
 
「行くよ。それは行く。でも私はその後は〇〇ちゃんの元に帰ってくる」
 
旦那はフッと笑って、
 
「いいですから。そいつに養ってもらいな」
 
「だからそういう人じゃないって言ってるじゃん。私の片思いだって」
 
「そうであってもお前はそっちを選んだんだ。人生の選択をそうしたんだ。もう独りで生きていく覚悟決めろよ。お前は今ある全部を捨てて、たった一回のそれで大切なすべてを失ってもいいってことを俺とお姉さんに宣言したんだ。ただ、俺はお前に申し訳ないとは思うけどな」
 
「…何が申し訳ないの?」
 
「俺はお前から解放されてほっとするし自由になるからな」
 
「やだ。解放なんてさせない。しがみつく!!」
 
また旦那はフッと笑って
 
「お断り致します」
 
と言った。
 
「絶対逃がさないから。しがみついて離れないから!!」
 
旦那はため息をついて、
 
「なんで俺につきまとうんだ?他にもいるんだろ?男。そいつらの誰かがお前を見てくれるよ。そっちいけよ」
 
「いないよ。そんな人。〇〇ちゃん以外に私のすべてを受け入れてくれる人なんてどこにもいないよ」
 
「いるって」
 
「いない!!いないよ!!私は絶対〇〇ちゃんから離れない!!」
 
話し合いはずっと平行線だった。
 
そうするうちに、旦那はオンラインゲームを始めてしまった。
 
「またかよ!!こんな時にもオンラインゲームかよ!!いい加減にしてよ!!たまにはきちんと真面目に私に向き合ってよ!!やめてよ!!オンラインゲーム!!」
 
「あ?」
 
「浮気に走った原因だって、あんたがオンラインゲームばっかやってて私に構ってくれなくなって、それでブチ切れて私、家飛び出したんじゃない」
 
「今度は他人の責任にするのかよ」
 
「だってそうじゃない。本当のことじゃない」
 
「ほほぅ。で?13人とやったと....」
 
「そうだよ!!それがどうしたのよ!?」
 
私は完全に開き直って旦那に答えた。
 
「まぁ、その13人は性的逸脱行為として百歩譲って許そう。でもその最後の人って奴は本気なんだろ?」
 
「そうだよ」
 
「それはあれだよな。自らの意思で行ってるよな」
 
「そうだね。それの何がいけないの?」
 
また旦那はため息をつくと、
 
「わからないならいいよ。兎も角、俺はそれは許せない。今までだって、決して許してきたわけじゃないんだ。本当は嫌だったんだ」
「お前、どっちもはないぞ。どっちかだ。どっちを選ぶんだ?それでお前の人生これからも安泰かメチャクチャになるか決まるぞ。よ〜く考えろ?」
 
私は言葉に詰まった。
 
「.......今は彼しか選べない」
 
少しの沈黙が私たちを襲った。
 
しばらくして旦那が、
 
「......そうかよ。じゃあ好きにしな。どうやって生きていくんだ?実家か?お姉さんのところか?病院か?グループホームみたいな施設か?お前、一人ぼっちになるんだぞ?一人で生きていかなきゃならなくなるんだぞ?お前、一人で生きていけるのか?」
 
「いけない。一人では生きていけない。......いいもん。そうしたら氏ぬから」
 
「そうやってすぐ氏ぬ氏ぬ言うのな。そうやって俺を脅かすのな。お前は本当に卑怯だよ。いいぜ。氏ねよ。好きにしろよ。もう俺には関係がないことだ」
 
「好きにするよ。一人になったら氏ぬ。あの人に会えたらそのあとは私どうなっても構わないんだ。氏ぬことなんてなんてことない。この世に未練なんて何もない。どうせ私が氏んだって、悲しむ人なんて一人もいないんだ......」
 
フゥ・・・(旦那のため息)
 
「別れようぜ」
 
「............」
 
本音はやだった。旦那と別れるなんてやだった。でも、かれこれ2時間近く話してても話は平行線で、私はもうどうにともなれ!!という投げやりな気分になっていた。
 
「いいよ。別れよう」
 
「ああ」
 
「いつ?別れるの?お父さんにも連絡しなくちゃ。もう別れることは決定なんだから、あとは親権とか家のローンをどうするかとか、話を詰めていくだけだよ。お父さんにはどっちが連絡するの?」
 
「お前がやってくれ。再来週の土曜日なら都合つく。お義父さんの都合もお聞きして日取りと日時決めてくれ」
 
「わかった。朝一番でお父さんに連絡する。再来週の土曜日ね?」
 
「そうだ。じゃ、頼んだぞ」
 
「うん」
 
時計は気づくと3時をまわっていた。
 
とうとう別れることになるのか。なんだか実感が湧いてこない。
 
本当に別れるの?
 
でも旦那の本気度を見る限りもう修復は無理そうだった。
 
そうかぁ〜。別れるのかぁ〜。
 
21年間か。結婚生活。まあよくもったほうだよ。うん。
 
さよなら旦那。さよなら私の幸せ。さよなら私のすべて。